胡蝶蘭をもらったらまず何をする?置き場所と水やりの正解

胡蝶蘭をもらったらまず何をする?置き場所と水やりの正解

胡蝶蘭をいただいたものの、どう扱えばいいか分からず、とりあえず玄関に置いたままになっていませんか。
高価な花だけに、枯らしてしまったらどうしようと不安になりますよね。
元ギフト専門店の店長で、今はフリーライターをしている私が、もらった直後にやることと置き場所、水やりの基本をまとめました。
先に結論を言うと、ラッピングを外して、明るい室内に置き、水は控えめに。これだけで花の持ちが変わります。

もらった直後にやること

ラッピングは早めに外す

受け取ったら最初にやってほしいのが、ラッピングの取り外しです。
贈答用のセロファンやリボン、ワイヤーは、葉や花茎にキズをつける原因になります。
イイハナの解説でも、これらは外すよう案内されています。

包んだままだと湿気もこもります。
せっかくのきれいな飾りなので惜しい気持ちはよく分かりますが、写真を撮ったら外してしまって大丈夫ですよ。
外すときは、花や茎に引っかけないよう、ゆっくり手を動かしてください。

花の中央には触らない

胡蝶蘭の花の真ん中には、ずい柱と呼ばれる小さな突起があります。
ここには花粉のかたまりがついていて、触ると早くしおれる原因になるとされています。
ガーデンストーリーも、触らないよう注意を促しています。

お客様から「近くで見たくて、つい触ってしまいました」と聞くことは、店頭でも珍しくありませんでした。
気持ちは分かりますが、見て楽しむだけにしておくのが長持ちのコツです。

鉢カバーや受け皿の水を確認する

贈答用の胡蝶蘭は、鉢カバーや受け皿がセットになっていることが多いです。
届いた時点で、カバーの底や受け皿に水がたまっていないか、ひと目確認してみてください。
根が濡れたままの状態が続くと、根腐れのもとになるからです。

もし水がたまっていたら、捨てて構いません。
これは私が店頭で必ずお伝えしていたことのひとつです。

置き場所の正解

明るさはレースカーテン越しが目安

胡蝶蘭は、直射日光が苦手です。
強い日差しが当たると葉焼けを起こしてしまいます。
かといって暗い場所も向きません。

NHK出版のみんなの趣味の園芸によると、目安はレースカーテン越しの明るさで、照度でいえば2,000〜15,000ルクス程度です。
1,000ルクスを下回ると、育ちが悪くなり、株が弱っていくそうです。

日中に照明をつけないと暗く感じる玄関や廊下は、胡蝶蘭にとっても暗すぎる可能性が高いです。
私のおすすめは、南向きや東向きの窓から少し離れた、明るいリビングの一角です。

温度は18〜25℃、境目は15℃と12℃

同じ記事では、胡蝶蘭がいちばん調子よくいられるのは18〜25℃としています。
薄手の長袖シャツ1枚で快適に過ごせる室温、というイメージです。
気をつけたい境目は次のとおりです。

  • 18〜25℃は、もっとも育ちやすい範囲です
  • 15℃を下回ったら、水やりを控えめにして、月1回ほど湿らせる程度にします
  • 12℃以下になると寒さで傷むため、保温ケースなどで守ります
  • 33℃を超えると、高温のストレスがかかります

冬は、窓際が夜に冷え込みやすい点にも注意してください。
ガーデンストーリーでは、冷気が入り込む窓際や、床に近い低い場所を避けるよう勧めています。
冬の間は、窓から少し離れた、部屋の内側に置いておくほうが無難です。

エアコンの風は直接当てない

温度が合っていても、エアコンの風が直接当たる場所はおすすめしません。
熱帯育ちの胡蝶蘭は、乾いた風が一方向から吹き続けるのが苦手だからです。

風がまったくない部屋もよくありません。
NHK出版の記事では、サーキュレーターで空気をゆるく動かす方法が紹介されています。
風が直接当たらないよう、壁や天井に向けて回すくらいがちょうどいいと思います。

咲いている間の水やり

頻度は植え込み材料で変わる

水やりで迷う方が多いのですが、頻度は鉢に何が詰まっているかで決まります。
株元を見て、水苔かバークかを確認してみましょう。
バークは、木の皮を砕いたチップです。

生産者直営のらんやは、次の目安を示しています。

植え込み材料水やりの目安
水苔1週間〜10日に1回
バーク5日に1回

どちらも「乾いたらあげる」が基本です。
日にちで機械的に決めるより、表面を指でさわって、乾いていることを確かめてから与えるほうが確実です。
オフィスに贈られた胡蝶蘭なら、毎月10日、20日、30日を水やりの日と決めておくやり方も、イイハナで紹介されています。

1回の量は控えめ、冬はもっと控えめ

量については、イイハナが「コップ1杯弱で十分」としています。
鉢の大きさによって前後しますが、鉢の底から水があふれるほど与える必要はありません。

冬は、量も回数もさらに減らします。
ガーデンストーリーでは、冬は鉢の容積の2分の1から3分の1程度を目安に、ぬるま湯を与えるよう案内しています。
NHK出版の記事にあるとおり、15℃を下回る季節は月1回、湿らせる程度で足ります。

水をやったあとは、受け皿や鉢カバーの底に水を残さないでください。
ここが乾かないまま寒さに当たると、根腐れしやすくなります。

いちばんの失敗は水のやりすぎ

らんやは、胡蝶蘭の最大の失敗原因は水のやりすぎだと指摘しています。
私も店長時代、「元気がなさそうだから」と毎日水をあげた結果、葉がしおれてしまったという相談を何度も受けました。

胡蝶蘭は、根が空気に触れることで呼吸する植物です。
水が足りないのを心配するより、根を蒸らさないことのほうがずっと大切です。
かわいそうで水をあげたくなったら、まず鉢の中の乾き具合を確かめてください。

やりがちなNG行動

NG早見表

ここまでの内容を、失敗しやすい行動別に整理しました。

やりがちな行動起きること代わりにすること
毎日水をやる根腐れ乾いてから与える
直射日光の窓辺に置く葉焼けレースカーテン越しの光にする
花の中央に触るしおれが早まる触らず眺めるだけにする
エアコンの風が当たる場所に置く乾燥して弱る風の当たらない位置にずらす
玄関や廊下の暗い場所に置く光が足りず株が弱る明るいリビングの一角に移す

果物のそばには置かない

意外と知られていないのが、果物との相性です。
果物から出るエチレンガスが、花の老化を早めるとされています。
ガーデンストーリーも、果物の近くに置かないよう注意しています。

お供えの果物と並べて置いたり、フルーツを盛ったかごの隣に飾ったりするのは避けましょう。
キッチンやダイニングに置くときは、フルーツの置き場所から少し離してください。

置き場所は決めたら動かさない

日当たりを気にして、毎日のように鉢を動かす方もいます。
らんやは、置き場所を頻繁に変えないことを、長持ちのコツのひとつに挙げています。

肥料も、花が咲いている間は必要ありません。
「元気づけたい」という気持ちで足したくなりますが、いまは何もしないのが正解です。
過度な世話は、かえって逆効果になります。

花が落ち始めたら

花が終わっても株は生きている

しばらくすると、花が少しずつ落ち始めます。
がっかりしてしまうタイミングですが、そこで捨てる必要はありません。
胡蝶蘭は、花が終わっても株そのものは生き続けるからです。

葉がしっかりしていて、根が元気なら、そのまま水やりと置き場所のケアを続けてください。
先ほどの水やりと置き場所のルールは、花のあとも変わりません。

花後の手入れは別のタイミングで

花茎の切り方や、来年また咲かせる方法は、ここで詳しく触れると長くなります。
まずは、もらった最初の1週間を、ここまでの手順で乗り切ってください。
その先の楽しみ方は、少しずつ覚えていけば十分です。

まとめ

もらった胡蝶蘭は、まずラッピングを外して、花には触らず、鉢カバーの水を確認するところから始めます。
置き場所は、レースカーテン越しの明るさで、エアコンの風が直接当たらないリビングの一角がちょうどいいです。
水やりは、水苔なら1週間〜10日に1回、バークなら5日に1回を目安に、乾いたことを確かめてから与えてください。

店頭で何百人ものお客様に接してきて、一番強く感じるのは、胡蝶蘭は世話をしすぎないほうが長持ちする、ということです。
毎日声をかけて眺めるくらいがちょうどいいと、私は思っています。

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